蘭は植物のなかでも蘭・竹・梅・菊は、
いにしえより高潔な感じが君子を思わせるところから
四君子と呼ばれています。なかでも蘭はその筆頭に挙げられ、
文人墨客達にとって素養の一つとして育てられてきました。
そして、詩に詠まれ絵に描かれてきた長い歴史を持つ園芸品種です。

置き場所

日光が十分当たる風通しの良いところが理想的です。鉢を置く棚は地上50~80センチ位の高さが管理しやすいでしょう。
棚の上には強い直射日光をさえぎるヨシズ・寒冷と雨よけのビニール等を掛けられるようにしておきます。3月下旬から11月頃までは風通のよい棚で育て、冬は寒風から守るため、蘭棟や暖房していない室内に取り込みます。加湿の必要はなく日の当たる縁側や窓辺で越冬させることができます。早朝のやわらかい陽光は直射で採光し、その後はヨシズや寒冷紗などで50%程度に遮光します。通風を良くすることが病害虫を防ぐコツです。蘭舎での夏の栽培は通風に充分注意が必要です。

培養土

クレイボール(焼き赤玉)、硬質鹿沼土、桐生砂などをそれぞれ大(親指大)、中(小指大)、小(大豆大)の粒に古い分け混用します。最近は専用の培養土も発売されています。水洗いした後、日光で乾燥させてから使用します。

黒の楽焼き鉢が一般的に用いられています。蘭の好む通気性がある上、日光の熱吸収が良く根の発育を促すため多く利用されます。鉢の大きさは植え込む株の根の廻りに少しゆとりができるくらいの物が適しています。

鉢植え替え

1~2年に1回、春か秋の彼岸頃に植え替えます。花物で花がついている株は花が終わってから行います。植え替えの方法は痛んだ根を取り除き根の汚れや古い土を流水で洗い流します。株が大きくなったもので株分けが必要な時は消毒したハサミやメスでバブル(球茎)とバブルの接点を切り離して植え込みます。植え替え後2週間位は毎日水やりします。尚、ハサミやメスの殺菌はライターなどで刃を焼いて水につけて使用するのが一番簡単でしょう。

植え方

1.特大を鉢底にふた並び程入れる
2.植え込む蘭の根が四方に拡がるように入れ大を鉢の半分程入れる。
3.中をバルブ(球茎)の下くらいの位置まで入れる。
4.マグアンプK大粒を中の上の鉢の縁に5~7粒入れる。
充分発酵した置き肥を1~2個入れる。
5.小をバルブ(球茎)が3分の1見える程度に入れる。

灌 水

水やり回数は鉢の大きさ、置き場所により一律ではありません。
表土が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷり灌水します。
目安としては、春、秋は3~4日に1回、夏は2~3日に1回、
冬は5~7日1回です。冬は暖かい日の午前中に、夏は気温が下った夜間に行います。

消 毒

葉姿や花を楽しむ東洋蘭にとって、葉を美しく保つ為の消毒は大切なものです。
病気や害虫は、気温が高くなる春先から秋にかけて発生しやすいので、定期的に噴霧器で消毒しましょう。
1月~2月  月に1回程度
3月~10月 月に2~3回程度
11月~12月 月に1~2回程度

肥 料

東洋蘭は肥料のやり過ぎで株を痛めることが多いものです。培養土や灌水の回数、株や鉢の大きさにより種類や量はさまざまですが植え方のところで述べたようにマグアンプKの大粒を5~7粒と充分発酵した固形肥料(油カス)を1~2個埋め込むだけで充分でしょう。

花の咲かせ方

春蘭の開花時期は3月~4月です。バルブ(球茎)も太り、葉も5枚以上繰って3本以上の株立になると花も付きやすくなります。早いものは8月頃から花芽も成長します。赤花、朱金色花、黄花系は花芽に水苔などをかぶせ、花に葉緑素がのるのを防ぎます。10月頃になると花芽も成長します。水苔などを取り除き、アルミホイル等で作ったキャップと取り替えて下さい。赤花系は、1月下旬から2月始め頃、朱金色、黄花系は、開花直前にキャップをはずし早朝の直射日光を当てると発色が良いようです。キャップの作り方は、花の大きさにあわせて鉛筆やペンなどにアルミホイル等を巻きつけ、上をつまんで光が入らないようにします。

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